「まだ小さいのに、へんな言葉、やたら知ってるよね」
とか、(おかあさんが、よそのひとに)言われたりします。
たぶん、小さなころから、マンガをたくさんよんだり、八歳年上の、おねえちゃんと、たくさん話したり、喧嘩(けんか)したりして、いろんな言葉を見たり聞いたりしたために、言葉の知識が多くなったのだと思います。
では、言葉の知識が多いと、どんなことができるようになるのでしょう。
話をしたり、文章を書いたりするとき、自分が知っている言葉の中から、必要なものを選び出して、並べて、文を作っていきます。
たとえば、ほげ子さんは、喧嘩をするとき、
「てめえ、うるせえ、黙(だま)れ!」
などと、叫ぶことがあると思いますが(…ないかもしれませんし、ないほうがいいですが)、これらの文は、次のような、小さな言葉を並べることで、作られています。
てめえ
うるせえ
黙れ(黙る)
これらを、言葉の世界では、単語(たんご)といいます。
単語は、ちいさな言葉のつぶです。
その単語のつぶを、レゴブロックみたいに、いろいろたくさん組み合わせて、大きな文章を、作ることができます。いろいろな種類のブロックがあれば、作れるものも、増えていきますが、言葉の世界でも同じで、いろんな単語を知っていると、表現できるものが増えてきます。
てめえ
うるせえ
黙れ(黙る)
これだけでは、ちょっと平凡(へいぼん)で、おもしろくないので、もっと単語を足してみましょう。
この
アンポンタン
穴あきパンツ
尻(しり)伝説
作る
よくわからないものも交じっていますが、少し増えました。
最初の三つも含(ふく)めて、これらを全部使って、文を作ってみましょう。
テメー、このアンポンタンの穴あきパンツが!
黙って尻伝説でも作っとけ!
ただ「てめえ、うるせえ黙れ」と叫ぶよりも、だいぶ印象的な表現になったような気がしませんか?
こんなふうに、単語をたくさん知っていると、表現が、大きく広がってきます。
さて、いま出てきた七つの単語は、「ほげ子さんが、悪口を言うときに使う単語」として、ひとまとめに考えることができます。
こんなふうに、ひとまとまりの仲間として集めた単語たちのことを
「語彙(ごい)」
といいます。

もっとも、「この」とか「作る」とか「穴あきパンツ」とかは、悪口を言うときでなくても、使うことがありますから、必ずしも、「悪口の語彙」だけに含まれるものではありませんね。それらは、大きな枠組みでいうと、
「ほげ子さんが使うことのできる語彙」
でもあります。もっともっと大きな枠組みでいうと、
「日本語の語彙」
ということになります。

悪口用の語彙のほかにも、いろいろな種類の語彙を増やして、豊かな言葉の表現ができるようになると、いいですね(^ ^)。
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