おかーさんは,昔,社会の勉強があんまり得意ではありませんでした。
地球の上では,あまりにもいろいろなことが,広い世界のあっちこっちで起こっていて,とても覚えきれないと思っていました。
歴史や地理の分厚い教科書や,資料集を見るたびに,
「いろいろあった。完。」
って,まとめて終わりたくなりました。
なにしろ,おかーさんは,人の顔と名前を覚えるのが,とても苦手だったのです。
(いまもです)
ついでに,ちょっと半端ない方向音痴でもありました。
(いまもです)
でも,そんなこといってると,テストで落第します。
それで,こんなに山ほど,とりとめもなく積み上がっている,世界中の出来事に,どうやったら,自分なりに興味が持てるか,とっかかりを探しました。
誰だってそうだと思うのですが,どーでもいいと感じるような,自分には関係のないことは,なかなか覚えられません。
でも,わくわくするようなこと,想像力を刺激されるようなことだったら,どうでしょうか。
おかーさんは,小説やマンガが大好きでした。
(いまもです)
歴史や地理のなかに,そういう物語に出てくるような,刺激的な人が出てくれば,ちょっとは覚えられるのじゃないかと気づきました。
そして,人の歴史や世界のなかには,とんでもなく刺激的で,おかしい人が,どっさりいるということに,だんだん気づいていきました。
たとえば,卑弥呼(ひみこ)という女性。
ほげ子さんも,名前だけは知っていたと思います。
おねーちゃんと一緒に,よく見ていた「下妻物語」の映画に,出てきましたね。
映画のなかでは,伝説の暴走族でしたけども,この名前は,遠い昔,日本列島のどこかにあった,邪馬台国(やまたいこく)小さな国を治めていた,女王からとったものだと思います。
いまから1700くらい前の日本列島には,ちいさな国が,たくさんあったそうです。
1700年前といっても,なんだかピンときませんよね。
きのう,ほげ子さんと一緒に調べましたけども,2000年くらい前に,「
聖☆おにいさん」に出てくる,
イエス・キリストがいた時代があって,そこから300年くらいたったころ,だったはず。
そのころの世界には,文明の進んだ大きな国がたくさんありました。
でも,東のはじっこにあった日本列島は,お米をつくる技術がやっと伝わって,少しづつ発展しつつはあったものの,まだまだ大国をつくるほどではなかったようです。
邪馬台国の卑弥呼さんは,自分の国を,大陸の大きな国に認めてほしかったのでしょうか,中国のほうに,使者を何度も送って,連絡を取っていたようです。
そのために,卑弥呼さんのなまえが,中国の歴史書「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」に書き残されることになります。
YouTubeに、卑弥呼さんのイメージ動画があったので、貼っておきます。
…なんか、男の人が卑弥呼になってますけど、あまり気にしないことにしましょうか( ̄▽ ̄;)。
魏志倭人伝によると、卑弥呼さんは、女性だったようですけども、結婚はせず、1000人もの人を召使いにしていましたが、お部屋に入って世話をするのは、たった1人の男のひとだけだったとか。
さらに、魔法だか妖術だかわからない、不思議な力をつかって、国民を惑わせたそうですが、女王になってからは、人の前にほとんど姿を現さず、厳重に守られた屋敷に閉じこもっていたそうです。
なんだか、不思議な人ですね。
この卑弥呼さんが亡くなったあと、邪馬台国では男の人が王様になったけれども、なんだかうまくいかなかったので、女王様に変えたところ、国が落ち着いたのだとか。
邪馬台国の人たちは、王様よりも女王様のほうが好きだったのでしょうかね。
想像ですけども……女王になってから人前に出なかったという卑弥呼さん、動画の人みたいに、ほんとは、男の人だったりしたのかも。それを知られると困ったことになるから、結婚もせず、人にも会わずに、閉じこもって政治をしていたのかも……
なんて、いろいろと想像がふくらみますが、邪馬台国が日本のどこにあったのかということも含めて、卑弥呼さんについて、いまもわからないことは、たくさんあるのだそうです。
というわけで、覚えることをまとめてみましょうか。
・1700年くらいまえ、日本のどこかに、邪馬台国という国があって、卑弥呼という女王が治めていた。
・そのころの日本は、お米を作って食べていた。小さな国がいっぱいあった、らしい。
・卑弥呼は、中国とかに使者を送って交流していた。
・卑弥呼が、怪しい魔法を使えるヒミツの多い独身のオカマさん…だったかどうかは、よくわからないけど、中国の歴史書「魏志倭人伝」に記録が残っている。