2016年6月5日日曜日

今日の朗読…江戸川乱歩「人間椅子」

今日も、おかーさん朗読会を開催しました。

聴衆は、ほげ子さんと、おねーちゃん。

読んだのは、「人間椅子」。

文豪ストレイドッグズにも出てくる、江戸川乱歩の作品です。


例によってKindleでダウンロードして、読みました。


 奥様、

 奥様の方では、少しも御存じのない男から、突然、此様このような無躾ぶしつけな御手紙を、差上げます罪を、幾重いくえにもお許し下さいませ。

 こんなことを申上げますと、奥様は、さぞかしびっくりなさる事で御座いましょうが、私は今、あなたの前に、私の犯して来ました、世にも不思議な罪悪を、告白しようとしているのでございます。

 私は数ヶ月の間、全く人間界から姿を隠して、本当に、悪魔の様な生活を続けて参りました。勿論もちろん、広い世界に誰一人、私の所業を知るものはありません。若もし、何事もなければ、私は、このまま永久に、人間界に立帰ることはなかったかも知れないのでございます。


江戸川乱歩「人間椅子」の最初のほう…青空文庫版





美貌の人気女流作家にして人妻である佳子さんのもとに、見知らぬファンから分厚い手紙が届きます。


送り主は、自称椅子職人だという男。

貧しく、容貌も醜悪なため、女性と全く縁のない生活だったという彼は、こともあろうに、内部での居住が可能な椅子を作って、中に入り込み、自分ごとホテルに納品させてしまいます。


男はホテルで、夜な夜な盗みを働き蓄財し、昼間は泊まり客に座られる生活を送っていましたが、やがて、美しい外国人女性たちに座られることに、喜びを感じるようになってしまいます。


ところがある日、ホテルの経営者がかわり、椅子は売り出されてしまうことに。


男は椅子ごと、日本人の家庭に買い取られ、その家に住む、人妻の人気女流作家に座られるうちに、彼女が好きになってしまい……



そして、おどろきの結末を迎えるところまで、ダイジェスト朗読をしました。

ほげ子さん、わりとツボなお話だった様子です。



このお話、おかーさんは、小学校五年くらいのころに、ラジオの朗読番組で聞いた記憶があります。女性に座られているときの、椅子男の様子が、薄気味悪いような、それでいて、なんだかおかしいような、奇妙な気持ちになったのを覚えています。


グロテスクですが、人が死んだり殺されたりしないので、読みやすいお話ではあります。








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